Letter to the library :: SRFL Lab
Dear the library,
英文学者の福原麟太郎先生のエッセイを、研究社の著作集を通してほとんど読了したのもこの図書館の蔵書からでした。今も最も記憶にあざやかに記されているのは、先生がやはり図書館かどこかで本を読んでいると、その机上に美しい虹色が現われ、おどろいて窓辺の方を見ると、窓ガラスかなにかが、プリズムのような役割を果たし、その光が机上に美しい文様を落としていたのでした。Wk大学の旧図書館ではもちろんそのように美しい虹は現われなかったのですが、その代わりに、福原先生のエッセイの読後感は私にとってはなにか不思議なほどに特別なものとして残り、できるならば今も、このエッセイを当時のまずしい学生時代のように、もう一度読み直したいと時々思います。そんんふうに時代をさかのぼることは不可能なのですが、この半世紀前の福原先生との出会いは、私の読書のひとつの頂点をなすようなものだったと今では思うようになりました。ここでも旧図書館に感謝しなくてはなりません。
Cordially,
Tokyo
16 April 2018- 9 May 2018
TANAKA Akio
at
Sekinan Zoho
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